地元の介護職として勤務することに誇りを持って取り組むケアマネージャーやホームヘルパーも少なくない。地方出身者の中には、都会の学校を卒業すると同時に大都市での就職を果たす人も多いが、地元を愛し地元での仕事にこだわるという人も多くいる。

高齢化社会の進行という課題を抱える日本だが、とりわけ地方の高齢化率の高止まり傾向は顕著であり、抜本的な対策を求める声も大きい。そのような状況もあり、ケアマネージャーやホームヘルパーなどの介護の担い手が増えることは、地方にとっても歓迎すべきことといえるのではないだろうか。地元の介護施設の運営責任者やマネージャーにとっても心強い限りだ。

一旦、進学のために上京するものの、生まれ育った地元での就職を決意するのは、やはり、故郷への思いが強いからといえるだろう。そして介護職としての勤務を希望する理由は、人それぞれだ。漠然と介護現場に興味関心があったという人もいれば、とにかく人のお世話がしたいという理由を挙げる人もいる。

一方、介護施設を切り盛りする運営責任者やマネージャーにとっては、地元の出身であることを好意的にとらえることも大いにある。何かにつけて頼りになるという意見も多く聞かれることだ。入所者との対応でも、地元出身であるが故のメリットも期待できる。たわいもない会話をする時にも安心感を与えることになるのかもしれない。地元民ならではのエピソードや風習、食べ物にまつわる話にも花が咲くはずだ。